Ask Eri: 初心者向けアートフェアのガイド、パート1

Tuesday 26 August, 2025

国際アートフェアは、世界中のアートに触れることができる貴重な機会ですが、初めて訪れる人にとっては、少しハードルが高く感じられることもあるかもしれません。
Tokyo Gendaiのフェアディレクター高根枝里が、フェアの楽しみ方を初心者のためにアドバイス!

ガイドのパート1では、フェアをどう巡り、どう楽しむかといった基本的な疑問に、高根さんがわかりやすく答えてくれました。

アートフェアって、そもそも何のために開催するのでしょうか?

アートフェアは作品を展示して販売するのが目的ですが、大きく言うとアートのエコシステムを整えるためです。アーティスト、コレクター、美術館関係者、スポンサー、政府関係者など、世界各国から多くの人が一堂に会してコミュニケーションできる場はアートフェア以外滅多にないので、様々な人が集まって交流を広める場を作ることが目的です。未来のアートの環境を育てる第一歩だと思っています。

アートフェアはなぜ行くべきですか?

アートフェアは誰にでも開かれた場所で、数多くの作品を気軽に見ることができます。Tokyo Gendaiでは普段出会えないギャラリーや作品にも触れられますが、インスタレーションやトークプログラムも展開する予定なので、現代アートを多角的に楽しめると思います。1年に1度、3日間しか開催しないので、とても貴重な機会です!

Tokyo Gendai の会場はどれくらいの大きさですか?

今年のTokyo Gendaiでは1万平米の広々としたスペースに、67のギャラリーが出展いただきます。

Tokyo Gendai にはどんな人が来ますか?

本当に色々な人が来ます。購入目的でいらっしゃるアートコレクター、美術館の関係者、政府関係者に、美術館に行く感覚で沢山のアートを一気に見たいというアート好きの方、若い学生さんからお年召した方まで、世界中から数多くの方が訪れます。

アートフェアの正しい回り方はありますか?

自由にみていただきたいので、順路や「正しい」回り方はないです。
ただ、Tokyo Gendaiではセクターごとにテーマがあるので、セクターごと見ていくのも楽しいですし、それぞれのセクターを少しずつ見ていくのもまた違う見方ができて面白いと思います。Galleriesは著名ギャラリー、Hana ‘Flower’ は若手〜中堅の作家もしくはギャラリー、Eda ‘Branch’ はアジアに根ざした作家や企画展、Sato ‘Meadow’ はインスタレーション展示などです。自分の興味に応じて回れば良いと思います。

コレクターでないと行きにくいのでしょうか?

全くそんなことはありません。私も学生の頃からフェアに行っていました。見るだけでも大切な経験になりますし、作品を知る・触れることから始めていいと思います。

キャプションを貼っていないギャラリーもありますが、理由はありますか?

それぞれのギャラリーの方針によります。ビジュアルの美しさや展示空間を重視して、あえて貼らないこともあります。作品の詳細や価格は、ギャラリストに聞けば見せてくれます。

Art Talks, 2024

パブリックプログラムとは何ですか?なぜ開催されているのでしょうか?

パブリックプログラムは、ギャラリーさんによる作品の展示とはまた違った視点から現代アートを楽しめる、誰でも参加できるプログラムです。

現代アートについて勉強したい方は、世界中のアート関係者が登壇するArt Talks(トークプログラム)がおすすめです。

Sato ‘Meadow’ という、アートのライブパフォーマンスや、体験型のインスタレーションもあります。

今年の特別展示 Tsubomi ‘Flower Bud’ では、工芸的な要素を用いる日本人女性作家に焦点を当てた展示です。

Ne ‘Root’ では日本を代表する財団による特別なショーケースを展示します。

子供からお年寄りまで、多くの人にアートに触れてもらうきっかけとして、パブリックプログラムを開催しています。

ギャラリーの人と話すとき、マナーやルールはありますか?

他の人と話している最中に割り込まないこと、作品に触れないこと、この2点が特に大事です。距離感に気をつけて、節度を持って接すれば大丈夫です。

作家の知識がなくても、購入するつもりがなくても、作家やギャラリストに話しかけていいですか?

もちろん大丈夫です。むしろ、ギャラリストや作家さんから話を聞くことで理解が深まります。

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