Top left: ©︎Dick Thomas Johnson / CC BY 2.0
Bottom left, bottom right: ©︎Yokohama City Visitors Bureau
暮らしの延長でありながら、非日常の扉がふいに開く街、横浜。異国の風情、港町の詩情、カルチャーの密度。そのすべてが、感性のスイッチを軽やかに押してくれる。今回はそんな横浜を、馬車道から中華街や野毛まで、エリアと注目スポットをご紹介。横浜を訪れる価値は、想像以上にたくさんあるので、Tokyo Gendai開催までに改めておさらいしておきたい。
「パート2:せっかく横浜に来たなら行っておきたい、Tokyo Gendai前後の満喫プラン・実用編」はニュースレター登録者にお届け!
登録者のみに配信されるコンテンツです。ご登録はこちらから!
異国情緒漂う馬車道・関内







文明開化の時代、西洋文化の玄関口として栄えた横浜・馬車道。赤レンガ造りの建物や石畳の歩道には、当時の英国建築の面影が色濃く残り、歴史と洗練が共存している。ここはまた、日本初のガス灯やアイスクリーム、写真館が誕生した地でもある。
関内には、「横浜三塔」のキング、クイーン、ジャックの愛称で知られる神奈川県庁本庁舎、横浜税関本関庁舎、横浜市開港記念会館がある。三塔を一度に見ることができるスポットは周辺に3箇所あり、その全てに行くと幸せになれるという「横浜三塔伝説」なる都市伝説がある。その一つは、日本大通りの県庁本庁舎の道路を挟んだ真向かいにあり、金属プレートが目印だ。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
歴史的建築が並ぶ街並みの中にある昭和2年創業の老舗、「勝烈庵」のとんかつは、秘伝のタレとパン粉にこだわった味。店名の書体は、版画家・棟方志功が手がけたという逸話も趣深いです。食後は、ブリューパブ「里武士(リブシ)」で一杯。リヴシー夫妻が野沢温泉で10年前に創業したブリュワリーがルーツのブリューパブです。かつて生糸検査所であったという伝統建築をスタイリッシュに生まれ変わらせた店内は決して大きくはないのですが、10種類ほどタップが並び限定ビールにも出会えます。歴史を感じる空間で、ここでしか飲めないクラフトビールを飲むのは格別です。
Information
馬車道・関内エリア
■みなとみらい線「馬車道駅」
■みなとみらい線「日本大通り駅」より徒歩すぐ
■JR京浜東北・根岸線/横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」
ウェブサイト:https://www.bashamichi.or.jp
横浜中華街で美味しい寄り道







約600軒以上の店がひしめく横浜中華街は、立地や注目度、来訪者数や規模感などに基づく旅行サイトの総合ランキングでは、ニューヨーク、バンコクに次ぐ世界第3位と位置付けられることが多い。
中でも横浜らしいのは、「関帝廟」と「媽祖廟」。商売繁盛の神・関羽を祀る関帝廟に加え、航海の女神・媽祖を祀る媽祖廟がすぐ近くに並ぶのは、世界の他の中華街にもない珍しい光景だ。煌びやかな装飾や香炉の煙、鳴り響く鐘の音に包まれながら、2つの信仰の世界を一度に巡る体験はまさに異国情緒たっぷり。煌びやかな建築とともに、中華文化の奥深さを体感できる。
また、他の国の中華街はレストランが多いのに比べ、横浜中華街は食べ歩きにフォーカスしているので、気軽にたくさんの種類を楽しめるのもいいところ。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
横浜中華街駅より5分の場所にある「老維新」のパンダマンは、食べるのがもったいない可愛さ。パンダまんは見た目の愛らしさだけでなく、チョコカスタードが中にたっぷり入っていて、ちゃんとおいしくて、癒し系のインスタ映えおやつとして優秀です。
Information
横浜中華街
■みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩約1分
■JR根岸線「石川町駅」北口より徒歩約7〜10分
ウェブサイト:https://www.chinatown.or.jp
インスタグラム: @yokohama_chinatown
海風に誘われて赤レンガ倉庫へ







横浜赤レンガ倉庫は、明治末期から大正初期に建てられた煉瓦造の歴史的建造物。激動の時代を経て大規模改修後、2002年、当時の面影を残したまま再生した。ベイブリッジや大さん橋を一望でき、海風を感じられる恵まれたロケーションが魅力。夜にはオレンジ色の幻想的なライトアップとともに港の夜景も満喫できる。
1号館は主に、ダンス、演劇、アートの発表の場として、2号館には雑貨や飲食店など約50店舗が集結。赤レンガの間に広がる石畳の広場では、オクトーバーフェストなど、各種フェスやマーケットが開かれている。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
8月24日(日)までは、複数のプロジェクタによって再現される大平貴之による体験型アートプラネタリウム®「星とたたずむ」が開催しています。
9月13日(土)〜15日(月)は、ハンバーガーフェスが開催され、日本全国から約40の有名グルメバーガーショップのキッチンカーが集合します。バーガー好きはぜひお試しあれ。
また、2号館の1階にあるお店「ものとアート」では、手作りにこだわった一点ものの雑貨や文具、アクセサリーを販売しているので、あなただけのものを探してみることができます。
Information
横浜赤レンガ倉庫 〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-1
■JR・市営地下鉄「関内駅」または「桜木町駅」汽車道経由で徒歩約15分
■みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分
■みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩約12分
ウェブサイト:https://www.yokohama-akarenga.jp
インスタグラム: @yokohamaredbrick
都会に浮かぶ夢の国、よこはまコスモワールド







みなとみらいのアイコニックな景観をつくっているのが、大観覧車の「コスモクロック21」。約1670万色を繊細に描くフルカラーLEDの光が、夜景に奥行きをもたらしている。
この大観覧車だけでなく、よこはまコスモワールドには、「ワンダーアミューズ・ゾーン」「ブラーノストリート・ゾーン」「キッズカーニバル・ゾーン」の3つのエリアに分かれており、ジェットコースターや観覧車をはじめとする約30種類のアトラクションが揃っている。
みなとみらい駅から徒歩2分とアクセスも良く、入場無料で、アトラクションごとに料金を払うシステム。都市型遊園地なので、アミューズメントプランの計画が柔軟に立てられるのも嬉しい。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
夜景散策の途中に大観覧車「コスモクロック21」に乗れば、ロマンチックな王道デートコースの完成。1周で約15分あり、景色の変化にワクワクしながら、頂上まで楽しめます。大観覧車に60台あるゴンドラのうち、4台しかないシースルーゴンドラは人気ですが、列に並んでトライすれば、さらにスペシャルな感覚が味わえます。
大観覧車を見るたびに、2023年のTokyo Gendaiでイルミネーション演出ができた貴重な機会を思い出し、思い出の余韻に浸ってしまいます。
一度入園すると、コスモワールド内の他のアトラクションも試しに乗ってみたり、予想以上に長居して楽しく過ごしてしまいますよ。
Information
よこはまコスモワールド 〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2-8-1
■JR・市営地下鉄「桜木町駅」より徒歩約10分
■みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩約2分
ウェブサイト:https://cosmoworld.jp
X(旧ツイッター): @_cosmoworld_
空と海の360度、大さん橋の特等席







横浜港大さん橋国際客船ターミナルは、大型客船の寄港地として名高く、360度の大パノラマが楽しめる絶好のビュースポット。みなとみらいのビル群や大観覧車、横浜ベイブリッジ、マリンタワーなど、横浜のランドマークが一望できる。
屋上広場「くじらのせなか」は、天然芝と船の甲板を思わせるウッドデッキが広がる開放的な空間で、晴れた日には遠く富士山のシルエットまで眺められる。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
大さん橋に行く途中に、路地裏にSDK Yokohamaという店があります。「台湾ハンドメイド靴とクラフトビールの店」という看板のとおり、店内では靴が売っているだけでなく、クラフトビールも飲めるというユニークな店。
マスターに好みを言うと珍しいビールを冷蔵庫から出してくれます。まるで台湾の屋台のように路地に置かれたテーブルで一杯、ローカル気分で楽しむのもいいですよ。
Information
横浜大さん橋 〒231-0002 神奈川県横浜市中区海岸通り1-1-4
■みなとみらい線「日本大通り駅」3番または4番出口より徒歩約7分
■横浜市営地下鉄「関内駅」1番出口より徒歩約15分
■JR「関内駅」南口より徒歩約15分
ウェブサイト:https://osanbashi.jp
インスタグラム: @osanbashi_terminal
昭和レトロに酔う、野毛でハシゴ酒






アート好きにこそ歩いてほしい、ちょっとディープな野毛の街は、昭和の残り香が今も息づく場所。古びた味のある喫茶店、年季の入ったライブバー、店の外壁に描かれた手描きの看板アート。街のあちこちに、ちょっとした「見つけた!」が隠れている。ふらっと歩くだけでも絵になるこの場所、感性のアンテナが敏感な人ならきっと楽しめるはず。
その繁華街のはずれにある野毛都橋商店街ビルは、別名ハーモニカ横丁としても知られる昭和レトロを堪能できるスポットだ。ふたつの橋の間に位置し桜並木にもなっている大岡川沿いにカーブを描く形で2階建ての長屋のように連なっており、10名前後しか入らない小さな店の集合体、約60店舗がひしめき合うので、少人数で行くのがちょうどいい。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
野毛の路地裏、正直カメラが止まりません。昭和レトロな看板や色褪せた壁、ネオンの光と影が本当に味わい深くて。建物の経年変化や、手描きの看板、どこかストーリーを感じさせる空間がそこここにあって、街自体がひとつのインスタレーションみたいです。
また、掘り甲斐のある「呑兵衛のまち」野毛は大道芸のメッカでもあり、ジャズ喫茶や単館系の映画館も。焼き鳥屋さん「野毛末広」、洋食屋さん「センターグリル」は人気店です。
Information
海辺の街路樹をくぐり抜けるマリン&ウォーク







横浜赤レンガ倉庫に隣接するオープン型のショッピング施設で、まるで海外にあるリゾートにあるハイエンド・モールのような雰囲気。緑も多く、優雅に街歩きを楽しむように買い物ができ、上質な時間が過ごせる。
カリフォルニア発のロン・ハーマン、ロンドン発COS、アムステルダム発のデンハムなどインポートブランドを扱うショップ、原宿発のネイバーフッドなどの人気店、パイ専門店パイホリックやパエリアが自慢のミゲル・ファニ、クロワッサンとコーヒーにこだわったZEBRAなど、オーシャンビューのテラス席が自慢のカフェやレストランも各種揃っている。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
ペットグッズのお店、ペットと一緒に入れるレストランや休憩スペース、ペット専用水飲み場もあって、愛犬家に人気のスポットです。インスタ映えのするフォトスポットがいくつかありますが、天使の羽根のウォールアートをペットの背に撮ると、とびきりかわいい写真が仕上がります。
Information
マリン&ウォーク 〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-3-1
■みなとみらい線「馬車道駅」6番出口より徒歩約9分
■みなとみらい線「日本大通り駅」より徒歩約9分
■みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩約12分
■JR・市営地下鉄「桜木町駅」より汽車道経由で徒歩約15分
ウェブサイト:https://marineandwalk.jp
インスタグラム: @marineandwalk
横浜駅直結、センスが息づくニュウマン横浜







ニュウマン横浜は、「STORY…ING」、物語をクリエイションし続ける場所をテーマに、駅直結の立地にありながら、通勤や買い物の途中で気軽にアートと出会えるのが魅力。
ギャラリースペースとしてアート作品でショーウィンドウを飾る「NEWoMan ART Window」シリーズでは、これまでにも印象的な作品が数多く発表されてきた。人形作りの伝統技法を用い、古着を素材に制作したken yashikiの大型作品をはじめに、角度によって見え方が変わる映像的絵画を展開した加藤崇亮の作品、そして、遠藤文香が自然観をテーマに、写真をもとにレースのカーテンとともに展示した作品など。それぞれが奥行きのあるショーウィンドウの特性を活かしながら、多様な表現を見せている。
館内の1F壁面もギャラリーウォールとして「Wall Street Museum」と銘打った常設展示では、The Chain Museumも共同キュレーションに関わっている。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
駅直結で雨の日には濡れずに行ける上、酷暑の日にはエアコンの効いた館内で、アート鑑賞やウィンドウショッピングをしながら涼むことができるので、何かと助かっています。
それと、「フードコート」とは一線を画した、スタイリッシュな佇まいのニュウマン横浜の「Food Hall」の雰囲気も好きです。働く女性のためのモダンなライフスタイルに寄り添った作りを節々に感じます。
Information
ニュウマン横浜 〒220-0005 神奈川県横浜市西区南幸1-1-1
■JR「横浜駅」中央北改札または中央南改札よりすぐ
■東急東横線・相鉄線・横浜市営地下鉄・みなとみらい線、京急線「横浜駅」西口改札よりすぐ
ウェブサイト:https://www.newoman.jp/yokohama/
インスタグラム: @newoman.yokohama
西口改札を出たらすぐ、上質が待っている横浜高島屋





横浜駅西口から目と鼻の先にある横浜高島屋は、昭和の開業以来、地域に根ざしつつ時代の変化を敏感に捉え、新たな価値を提案し続ける百貨店。上質なファッションや美食に加え、文化・芸術を日常の延長線上で楽しめる特別な場として多くの人々に親しまれている。
その中で静かに息づくのが、7階の横浜高島屋美術画廊である。週ごとに個展・企画展の展示を行い、絵画・陶芸・彫刻・漆芸・金工・硝子など多彩なジャンルを展開し、作家の世界が訪れる者の心にやさしく語りかける。創設120周年を控えた高島屋美術部が運営する美術画廊は横浜のみならず、日本橋高島屋、新宿高島屋でもそれぞれ独自の作品発表を行い、多様な芸術文化の発信拠点となっている。
喧騒を離れ、作品の前で静かに過ごす時間は、日常に深い安らぎをもたらしてくれるはず。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
ショッピングの合間に少しだけ時間を作って横浜高島屋の美術画廊を訪れると、静かな空気と多彩な作品に触れられます。頻繁に展示が変わるので、最新情報を横浜高島屋美術画廊公式インスタグラムでチェックしています。
気軽に立ち寄れるアクセスの良さもありがたいですね。
Information
横浜高島屋
〒220-8601 神奈川県横浜市西区南幸1-6-31
■「横浜駅」西口より徒歩約1分
■JR「横浜駅」南改札からもご利用可
ウェブサイト:https://www.takashimaya.co.jp/yokohama/
インスタグラム: @takashimaya_yokohama @takashimaya_art_yokohama
港を望むウェスティンホテル横浜で、ととのう







ウェスティンホテル横浜は、横浜市内で最も新しいプレミアム・ライフスタイル&ウェルネスホテル。羽田空港から車で約25分、みなとみらいの中心に立地し、観光や港エリアへのアクセスも良好。
ウェルネスはホテルの大切なテーマのひとつであり、「スリープウェル」や「イートウェル」など、心と体の健やかさを支える6つの柱を取り入れている。5階には約1,000㎡を超える専用フロアが設けられ、ホワイトティーの香りが広がる「Heavenly Spa by Westin™」をはじめ、最新の設備を備えたフィットネスや屋内プールなど、心身を整える多彩な施設がそろう。
373室の客室はゆとりある設計で、一部からは富士山の眺望も望める。薪焼き料理が楽しめる「Iron Bay」などのダイニングも充実している。
Tokyo Gendaiスタッフのおすすめ!
ウェスティンホテル横浜は、展示会の合間や観光のあとに心身をリセットできるホテルです。特におすすめなのが「Heavenly Spa」。明るく静かな空間で、心からリラックスすることができます。
レストランやバーも洗練されていて、夜景を眺めながらのお食事は格別です。港町・横浜らしい眺望とホスピタリティを、ぜひ体験してみてください。
Information
ウェスティンホテル横浜
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい4-2-8
■みなとみらい線「みなとみらい駅」1番出口より徒歩約6分
ウェブサイト:https://www.marriott.com/ja/hotels/tyowy-the-westin-yokohama/overview/
インスタグラム: @westinyokohama