新城大地郎 個展 「赤」、ANOMALYにて

Wednesday 7 May, 2025

Installation view of Daichiro Shinjo “Aka”, ANOMALY (Tokyo), 2025
Photo: Keizo Kioku

新城は1992年、沖縄・宮古島生まれ。現在も宮古島を活動拠点としています。墨と筆を用いた伝統的な書をベースに、その枠を超えた作品で現代における書を追求する若手アーティストです。国内外で活躍の場を広げています

新城は民俗学者で禅僧の岡本恵昭(1938-2024)を祖父に持ち、幼少期から仙涯や白隠の作品が身近にある環境で墨を使って自由に文字を書いていました。大学で建築を学び、一度は建築設計に携わりますが、社会や自分に対する違和感から仕事を終えた後に自宅で書くという行為を続け、2017年に個展を開催、本格的にアーティスト活動をスタートさせました。

支持体に黒い文字というシンプルな書の構成に基づきながら、太い線と点で解読ができないほど抽象化された文字は、画面の中でエネルギーを発してうごめくような有機的なかたちとなり、空気感を含んだその黒い存在は平面作品にも関わらずどこか彫刻的な印象を見るものに与えます。本展は新城のANOMALYでの初個展となり、近年に身近に連続して起こった出来事から生まれた、今しか生み出すことのできない「赤」*というテーマから制作した最新作のキャンバスと紙作品約25点を発表します。

Aka 02 (2025) Sumi on canvas, H162xW130.3cm ©︎Daichiro Shinjo

*「赤」:悟りの境地は言葉や文字で伝えられるものではなく疑うことで開かれるという禅の教義

<本展覧会タイトルについて>
本展のタイトルとなっている「赤」という言葉は、見えないけれど存在している動きや生命力を象徴しています。近年、新城の身近で立て続けに起こった「生と死」は、宮古島の死生観において蘇りや再生を表す言葉「スディル」を象徴するようであったと語ります。今回展示されるのは、「赤」というテーマから連想した文字を作品へと昇華した《Aka》のシリーズです。

展示は現在開催中-2025年5月17日(土) まで。
場所:ANOMALY
東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
営業時間:12:00-18:00
休廊:日月祝
入場:無料

詳細は、ANOMALYのウェブサイトにアクセス。

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