言葉では説明しきれない心地よさ。目の前に立つと、色彩やリズム、素材が静かに響き合い、気づけば作品の世界へと引き込まれている──。
タイを拠点に世界各地で発表を続けるUdomsak Krisanamisは、抽象絵画とコラージュを横断しながら、独自の表現を追求してきました。新聞紙やガラス麺、ヨガマット、合板など身近な素材を大胆に取り入れた作品は、偶然性と緻密な構成が共存し、世界各地で高く評価されています。見る人それぞれの感覚や記憶に寄り添うその作品は、国や文化を越えて多くの人々を魅了しています。
本インタビューでは、創作の原動力や制作への向き合い方、そしてTokyo Gendaiを訪れる人々へのメッセージを伺いました。飾らない言葉の一つひとつから、Udomsak Krisanamisの創作哲学と、その作品の魅力に触れてみてください。
初めてあなたの作品に触れる方に向けて、ご自身の制作や表現について教えてください。
私の作品は、普遍的な言語です。誰もが楽しむことができます。
1990年代にアメリカへ渡った際、英語を学ぶために新聞の「知っている単語」を黒く塗りつぶしていくという行為から、現在の象徴的なグリッド状の作品が生まれたと伺いました。美術とは一見関係のない、日常の個人的な体験が、どのように抽象絵画の表現へと変化していったのでしょうか。
私は、あらゆるものからインスピレーションを受けています。私の作品は、一秒ごとに変化しています。
ガラス麺やヨガマット、近年では合板など、身近な素材を絵画と融合させるコラージュ作品も数多く制作されています。そうした日常の素材と向き合うなかで、アイデアや視覚的なインスピレーションが生まれるのは、どのような瞬間ですか。
私は絵を夢見て、その夢を描いています。
2024年のベルリンでの個展『light my way』や、2025年のパリでの『Toi et moi』など近年の展示では、色彩やリズムに音楽的な即興性が感じられます。また、作品タイトルにはお気に入りの楽曲名を用いることも多いそうですね。現在のあなたにとって、「音楽」と「絵画」はキャンバスの上でどのように響き合っているのでしょうか。
すべては音楽です。
Tokyo Gendaiには、多様な価値観や文化を持つ国内外の来場者、コレクターが集まります。フェアを訪れる方々、そして日本のアートシーンに向けて、ご自身の作品をどのように体験してほしいとお考えですか。
家に帰って、自分でもアートをつくり始めてください。
ありがとうございました。9月のTokyo Gendaiでの展示を楽しみにしています。
言葉を超えて、色とリズムに出会う。Udomsak Krisanamisの作品を、会場で。
会期:
2026年9月11日 (金)〜13日 (日) *ヴェルニサージュは9月10日 (木)
会場:
パシフィコ横浜
ブース:
GALLERY SIDE 2
チケット購入先:
Udomsak Krisanamis
ウドムサック・クリサナミス(1966年生まれ)は、タイ・チェンマイを拠点に活動しています。絵画や彫刻を中心に制作し、日常生活の中にあるさまざまな物から抽象的なイメージを生み出しています。
新聞、卓球、レコードジャケット、チェス盤、麺類など、身近な物は彼にとって単なるインスピレーションの源にとどまらず、ミクストメディアの要素として実際の作品に取り入れられることもあります。
タイ・バンコクのチュラロンコン大学で学士号を取得した後、アメリカへ渡り、シカゴ美術館附属美術大学(School of the Art Institute of Chicago)で絵画のMFA(美術学修士号)を取得しました。





