日本の現代美術には、長い歴史のなかで培われた素材や技術、美意識を背景に、既存のジャンルを越えて広がる独自の表現がある。
その魅力を、国内のみならず世界のアートフェアを舞台に発信してきたのが、A Lighthouse called Kanataだ。2007年の設立以来、海外の美術館やコレクターとの交流を重ね、2025年には東京・表参道に新たな拠点を構え、活動の場をさらに広げている。
今回のTokyo Gendaiでは、いま世界のコレクターや美術関係者に知ってほしい日本の作家たちを紹介する。日本の美が持つ独自性と、そこから生まれる現代的な表現とは何か。その現在地を、A Lighthouse called Kanataの活動とともに探っていく。
A Lighthouse called Kanata は、国内外の主要なアートフェアで日本の現代美術を発信し、独自の存在感を築いてきました。初めてブースを訪れる方に向けて、ギャラリーの成り立ちや、活動を通して大切にされている価値観について教えてください。
カナタは素材の持つ力を大切にし、誰も真似のできないような技術を駆使され、一見して人の心を打つ「美」を創造する作家さんを、世界へ発信しているギャラリーです。脱サラして一人で立ち上げた事業ではありますが、当時はギャラリースペースはおろか、作家もスタッフもお客様もいませんでした。いつの間にか多くのスタッフと作家さんたちが集まり、昨年は表参道へも移転し、世界中の美術館やコレクターとお仕事をさせていただいています。
貴廊は西洋美術を中心に築かれてきた現代アートの文脈とは異なる、日本ならではの素材観や技術、美意識を世界へ発信し続けています。TEFAFなど世界最高峰のアートフェアにも長年出展されていますが、世界のアートマーケットでは、日本の工芸的なアプローチを持つ現代美術への関心や受容は、近年どのように変化していると感じられますか。
コツコツと世界へアピールしてきた積み重ねでもありますが、ようやく「機運」が高まってきたように思います。TEFAF、Art Basel、そしてFriezeのようなフェアでカナタのようなギャラリーが出展し、西洋の真似ではなく、西洋の文脈とは異なる美術の物語を主張するからこそ、多くの方々から注目いただくようになったのではないでしょうか。
所属アーティストの多くは、土や金属、ガラスなど、地球に根ざしたプリミティブな素材と向き合いながら制作を続けています。2025年には表参道へ新たなギャラリースペースをオープンされましたが、作品が持つ素材のエネルギーを、展示空間やアートフェアのブースへと落とし込む際、ディレクターとして最も大切にされていることは何でしょうか。
優れた作品は、どんな空間でも良い作品であり続けます。
しかし、空間や配置、そして光などで、さらに素敵に見せることが叶います。単純に自分自身が感動を覚えるような展示を常に心掛けています。
今回のTokyo Gendai 2026で展示される作品の中でも、ぜひ会場で実物をご覧いただきたい作品やアーティスト、その見どころを教えてください。
近年成長が著しいカナタの若手作家にぜひ、ご注目ください。
Tokyo Gendaiには、日本だけでなく世界各地からコレクターやアートファンが集まります。今回のフェアを通して、来場者にどのような体験や発見を持ち帰ってほしいとお考えですか。
日本の現代美術は世界特有の存在であることを、ぜひ感じ取っていただければ幸いです。
ありがとうございました。9月のTokyo Gendaiでの展示を楽しみにしています。
日本の現代アート、その独自の美しさを会場で。
会期:
2026年9月11日 (金)〜13日 (日) *ヴェルニサージュは9月10日 (木)
会場:
パシフィコ横浜
ブース:
A Lighthouse called Kanata
チケット購入先:
A Lighthouse called Kanata
2007年の設立以来、ア・ライトハウス・カナタ は21世紀における現代日本美術の再評価に取り組み、多様な視点から現代美術の境界を拡張することを目指しています。美的伝統の再発見と進化を通じて、日本国内外のアーティストによる抽象絵画や彫刻に焦点を当て、素材へのこだわりを通じて新たな美の概念を創造しています。また、国内外において、年間を通して多数の展覧会を開催し、主要な国際アートフェアに出展。新進気鋭のアーティストから、確立されたベテラン作家までを記録・紹介する出版活動を通じて、そのプログラムをさらに充実させています。さらに、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン)、龍美術館(上海)など、世界の主要な文化機関と協力し、ギャラリーの独自の視点と美学を国際的な舞台で発信するためのプラットフォームを創出しています。そして、2025年秋、東京・表参道の自社ビルへ拠点を移し、さらなる日本美術の未来への架け橋となることを目指しています。





